山ノ神 打当

秋田県北秋田市にあるマタギの里には、いくつかの山の神の社があります。

今回はその中の一つ、打当マタギが管理する山神神社についてご紹介します。

そもそも山の神とは

山の神とは日本各地で信仰のある神様です。地域によって伝わる性質が異なりますが秋田では醜い女性の神で、嫉妬深く、男好きであるとされています。古事記に登場する磐長姫(イワナガヒメ)と同一神であるという説もあります。

山の天気が悪くなった時は山の神の機嫌が悪いためだと言われ、男性の股間を露出させたり、オコゼの干物などを捧げたりするとよいとされています。オコゼの干物は非常に醜く、山の神が「自分よりも醜いものがこの世にある」と機嫌を直すとされています。

とても卑屈でネガティブな人間らしさを感じてしまいますね。

山ノ神の数字

12という数字が山の神に捧げる物の数字だとされており、山の入る際は人数が12人にならないようにしたり、獲ったヤマドリの尾羽が12本だったら一本引き抜いたりします。

また12月12日は山の神が山にある木を数える日だとされており、山に入ると木と一緒に数えられ帰ってこられなくなると言われています。そのため現代でも12月12日はマタギは猟に行かず、林業会社も休みにしているところが多くあります。

打当の山ノ神「マタギ神社」

山の中に佇む小さな社。人里からも離れており、釣り人やマタギの人が時折訪れるのみです。後ろにある大きな岩盤がご神体であるとされています。

かつて山の神の木像もありましたが不届きものによって持ち去られてしまい、今はありません。

打当のマタギたちは春と秋に必ず訪れ、山の神に安全や豊猟を願います。また社のある方面に行く際には少し寄って手を合わせてから山の奥へと向かいます。

山菜も、熊も山ノ神からの授かりもの。

マタギたちは山へ入れば簡単に手に入る山菜も、なかなか出会うことのない熊も、すべて山の神からの授かりものと考えています。そのため山菜も翌年も採れるような採り方をするし、熊も「獲った」と言わず「授かった」と言います。

おわりに

ここに暮らす人々全員が本当に山の神を信じているかはわかりませんが、山の神を蔑ろにしないことや、言動や所作をみていると文化として信仰の一部が根付いているように感じます。昔と比べ、山の幸によって生かされているというわけではない現代でも、自然の厳しさや、山に対する畏怖は人の本能に刻みこまれているのかもしれませんね。

そんなマタギの宗教観念や精神性をもっと知りたい方は、マタギがやっている宿へ泊りに行きましょう。

【公式】森吉山麓ゲストハウスORIYAMAKE | 北秋田市の大自然とマタギ文化を感じるマタギの宿

松橋旅館

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