マタギとは

マタギとは

マタギに興味を持ち、銃の所持許可を得て、マタギの文化が根付く土地に関わり約10年。自分が憧れたマタギという存在の本質はなんなのか、自身をマタギと呼んでも良いものか、そんなことを考えながら少しずつ自分の中でまとまってきたこと発信していきたいと思います。

マタギに興味を持った方の参考に少しでもなれば幸いです。

マタギと聞くと

猟師、熊撃ち、山の人、そんなことが思い浮かぶ人が多いと思います。

確かに猟師でもあるのですが、猟師であるからマタギだとは限りません。

その理由を解説していきます。

マタギとはいったい何なのか…

調べてみると大まかの概要を把握することができます。

マタギ(又鬼)は、日本の東北地方・北海道から北関東、甲信越地方にかけての山間部や山岳地帯で、伝統的な方法を用いて集団で狩猟を行う者を指す。「狩猟を専業とする」ことがその定義とされるものの、現代においては単にマタギ郷として有名な土地に生まれ、猟銃を使う猟を生業とする猟師を指すのが一般的である。獲物は主に熊であり、他にはアオシシやニホンザル、ウサギなどが狩りの対象となる。

マタギ – Wikipedia

クマなどの大型獣を捕獲する技術と組織をもち、狩猟を生業としてきた人をいう。 

孤高の民・マタギ (akita-gt.org)

マタギと、一般の猟師やハンターといわれる人々との違いは、マタギ独特の儀礼や、習俗があることです。

マタギについて学ぶ (omoshie.com)

すでに多くの情報を得ることができますね。

これらの情報をまとめてみるとマタギとは

「マタギの郷として有名な土地で、猟を生業とする猟師」

「大型獣を捕獲する技術と組織をもつ」

「伝統的な方法を用いて集団で狩猟を行う者」

「独自の儀式や習俗を持つ猟師」

ということが分かります。

 

マタギの定義

概ねこれらの認識で間違いないと思いますが、一つ一つ深堀してさらにマタギを考えてみたいと思います。

「マタギの郷として有名な土地で、猟を生業とする猟師」

マタギは秋田県阿仁が発祥の地とされています。昔は旅マタギと言って地元の山だけでなく、遠方へ赴き猟をしていました。そんな中、家を継ぐことができなかった次男三男が旅マタギに行った先で暮らし始め、マタギの文化が定着した土地があります。山形、新潟、長野あたりにまで広まり、今なお大事に受け継がれています。

阿仁の地元の方ですらマタギは「狩猟のみで生計を立てている専属猟師」と思っている方がいますが、狩猟のみで生計を立てていたマタギは昔も少数です。また江戸時代から昭和初期にかけて藩の政策や戦争需要により一時的に毛皮や、熊の胆が高く売れる時代があったため、それだけで生計を立てることができる人もいました。しかしあくまでも秋から春にかけて猟を行い、その他の期間は林業、農業、近代になってからは公務員や会社員と通常の仕事をしていました。

「大型獣を捕獲する技術と組織をもつ」

現代でも巻狩りという猟法を用いて熊を捕獲します。犬を使わず地形を利用し大人数で追い込みます。統率が取れていないと成功率が上がらないため、山に精通しており人望が厚い人物がシカリ(マタギのリーダー)として指揮を執ります。巻狩りを行う前に熊がいるかどうか数人で猟場をぐるっと回って見切りをすることもあります。現代ではライフルや散弾銃が使用されますが昔は弓や槍で行われていました。また今では禁止されている猟方ですが「ヒラ落とし」といって丸太を組んだ罠で熊を圧殺し、捕獲することありました。どちらの猟方も銃を持たずに熊を捕獲することができたため、他の地域の人は大変驚きマタギの存在が知られるようになりました。

「伝統的な方法を用いて集団で狩猟を行う者」

マタギの文化、マタギの伝統とよく聞きますが、そもそも文化と伝統は少し違います。

伝統とは「長い歴史の中で受け継がれてきたもの」

文化とは 「その地域の生活に定着しているもの

「伝統」とは昔から続く物事や精神を引き継ぐことで、マタギの場合は狩猟の方法や儀式的なことや精神性などがあてはまります。

「文化」とは時間、物、人などの流れや環境との関わりによって積み上げられてきたもので、マタギの場合は、猟具(槍から弓、弓から村田銃、村田銃から近代の銃)、信仰(修験道、密教、山岳信仰が混ざり合ったもの)、雪深くなる山奥の暮らしと関わる全てのことがあてはまります。

「独自の儀式や習俗を持つ猟師」

山の神を信仰しており、マタギの里周辺には山の神の社が数多くあります。また熊を捕獲した際は「授かった」と表現します。山菜やキノコも山からの授かりものと考える人が多くいます。

熊を解体する前にケボカイという儀式を行います。儀式の中「ノチノヨニウマレテヨイオトヲキケ(後の世に生まれてよい音をきけ)」という輪廻の考え、「オオモノセンビキコモノセンビキタタカセタマヘ(大物千匹小物千匹叩かせたまへ)」という生活の為の願いなど地域によって差がありますが山への畏怖や感謝の念を感じさせるものとなっています。解体した熊に皮をかぶせる「皮着せ」」、内臓を木の枝に刺して焚火で焼き山の神へ返す「モチグシ」などアイヌの文化に近いものもあります。

危険な山で生き残るため、あるいは集団の機能を保つために掟があり、山の神の信仰を織り交ぜ令和の時代まで残るくらい大事にされていたようです。しかし現在簡略化されていたり、実行できる人間がほとんど残っていないという危機的状態でもあります。

マタギを体験

さて、ここまでマタギとは何なのか、掘り下げて解説しましたがなんとなくマタギとはどんな存在なのか想像がつくようになったでしょうか?

あくまで明確に定められた定義があるわけではなく、地域によっても違いがあるため一概にまとめることはできません。実際に一緒に山へ行きどんな存在なのか体験するというのもオススメです。

【公式】森吉山麓ゲストハウスORIYAMAKE | 北秋田市の大自然とマタギ文化を感じるマタギの宿

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松橋旅館

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